2018年10月05日

ヨコハマ創造都市を巡るリレーレクチャー 岡田 勉 2018年10月5日

東京青山の文化施設「スパイラル」シニアキュレーターの岡田氏のお話を、彼らが9年運営している「象の鼻テラス」で伺った。ご存知の通り、スパイラルは下着メーカーワコールが推進する文化事業の本拠地。この「象の鼻テラス」は開港150周年記念事業として、当時横浜市が企画推進し、運営者を公募したものだが、スパイラルが、継続して運営を続けている。東京で培ってきたノウハウとセンスを駆使しながら、横浜市という公的なチームとがっぷり四つになり、確実な成果をあげてきている。メイン建物はもちろんのこと、公園や河岸を活用しながら、パブリックスペースの新しい姿を提案構築してきている。スマートイルミネーション、パラリンピックなど、館外に滲みでた評価の高いプログラムも多い。

今日の話は、岡田氏の横浜時代(小中高)から大学時代、ワコールに入社するまでのモチベーションなど、プライベートな話にも触れながらの楽しい話だったが、もともと建築家志望だったのには、少し驚いた。でもよく仕事の内容をみてみると岡田氏の仕事の廻りには、優秀な建築家の固有名詞が散らばっている。スパイラル(槇文彦設計)、バルセロナ博(隈健吾コーディネート)、アーバンリング(クールハウス、北沢猛)、アルヴァーアルトー(フィンランド)などの建築系の勇士があたり前のように顔を連ねている。

会場からは、パブリックとプライベート問題や、頑張っているけど知られていないなど、必ずといっていいほどでる辛口の質問や意見がでたが、企業人であり、行政と長くやってこられているので、さすがにさらりと交わしながら、でも本音もちくりとお話されて対応されていたのが印象的だった。

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象の鼻テラス

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青山スパイラル

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2018年09月29日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 西田 司 2018年9月29日

西田氏は、ヨコハマ創造界隈でも、群を抜いて成長している建築事務所、「オンデザイン」を牽引しているリーダーだ。最近は、都市に関わる大きな仕事も手がけており、建築家というよりもコーディネーターとしての役割が増えている。都市を開くというキーワードのもと、都市の中でコミュニティの形成や共有の新しい仕方を様々な建築的な手法で実験し、切り開こうとしている。10年前に計画したアパートメントが、そうした氏の代表作として位置づけられているが、現在は大学の寮のような大規模物件まで手がけるように展開してきている。さらに、最近は大手の企業とリンクし、都市再開発に関わる実験事業も手がけており、その勢いはとまらない。数人でスタートしたオフィスは、現在は数十人を要する大所帯。大きくなるとハードルも高くなるとは思うが、ここしばらくは地域のクリエイターとのコラボレーションも含めて、ヨコハマ創造界隈を引っぱっていくことだろう。

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ヨコハマアパートメント

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複合創造拠点 泰生ポーチ

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横浜キャンパス(仮称)新国際学生寮 2019年3月竣工
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2018年09月15日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 村田 真 2018年9月15日

村田氏は、BankARTスクールの校長を14年間、継続して担ってもらっているが、横浜に関係してからのもうひとつの顔は、「絵描き」としての村田氏だ。元々造形大学の油出身の村田氏であるが、大学2年の頃に絵を描く事は諸事情でやめたらしい。それからは「ぴあ」のスタッフとして、その後はフリーランスのジャーナリスとして、彼が日本の現代美術界ではたしてきた役割は大きい。
BankARTの関係で、横浜に関わってからは、大きくハンドルをきって長い期間封印していた「絵描き」としての活動を始めた。横浜の地に多くのシェアスタジオが誕生したのもひとつの理由だろうが、そこに村田氏個人のアトリエを設け、淡々と活動を続けている。
今回のトークでは、ジャーナリストとしての村田氏ではなく、絵描きとしての14年間の活動を伺った。現在も、ジャーナリストと絵描きの二足のわらじを続ける村田氏だが、彼のBankARTでのゼミや黄金町ゾーンで開いているレクチャーなどとリンクしながら、横浜の美術界の土俵を常に持ち上げてくれている。


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左 アートのみかた
ウエブマガン「artscape」に展覧会レヴューを書き始めた1999年からの10年間掲載したレヴュー1646本を収録。
右 BankARTスクール「戦争と美術」の講義内容をまとめた書籍。スクール校長の村田真が構成編集。

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2011年 NYKでの展示

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2011年 新港・村での展示

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2018年09月14日

ヨコハマ創造都市を巡るリレーレクチャー 池田 修 2018年9月14日

BankART1929代表の池田のレクチャー。何故美術の世界にはいっていったかという話から始まって、レギュラーの先生が事情でいなくなり、自主ゼミばかり行っていて先生を自分たちで招聘していたというBゼミ時代の話とその小林校長との出会い、ゼミでの川俣正との出会い、ヒルサイドの工事中での北川フラム、原広司との出会い、など、あまり日頃聞けない話を伺った。
また、なぜ横浜にBankART1929は生まれたか?という都市形成論をベースに北沢猛が構築した横浜創造都市構想の核心部についても熱く語った。
後半はBankART1929の運営論。現在の活動を支えるコンセプトにあたる部分に触れながら、多様な活動を淡々と語ってくれた。最後に、PHスタジオの代表作「船、山にのぼる」の映画を早回ししながらの解説。何人かの方が、うるうる。という盛りだくさんのトーク。
雨漏りする高架下のR16スタジオには60人を越える参加者が傘をさしながら最後迄聞き入ってくれた。

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2018年09月08日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 竹内昌義+マニュエル・タルディッツ 2018年9月8日

みかんぐみは曽我部昌史、加茂紀和子、竹内昌義、マニュエルタルディッツの4人の建築家による建築設計事務所である。今回は、7月21日の曽我部氏、加茂氏に引き続き、竹内氏、タルディッツ氏に話を伺った。
フランス、パリ生まれのタルディッツ氏には、主にフランスでの学生時代の話や、建築に携わるようになった経緯を、数々のエピソードや初期作の図面を交えて紹介していただいた。君の成績は美術も理数も平均的だから建築家になりなさい、と先生に勧められて建築の道に進んだというエピソードが印象的だった。
竹内氏には、みかんぐみの経歴と代表作品を紹介してもらいながら、クライアントとの付き合い方、建築家が踏み込み、コーディネイトしていくべき領域について、興味深い話をしていただいた。
アフタートークでは、建築家がどこまで現在の社会システムに働きかけることができるのか、熱い議論が交わされた。

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マニュエル氏が担当した東京日仏学院のリノベーション

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竹内氏の著書『原発と建築家 僕たちは何を設計できるのか』


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2018年09月01日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 丸山純子 2018年9月1日

丸山純子氏は、立命館大学卒業後、アメリカのハンターカレッジで美術を学ぶ。日本に戻ってきてから彼女は、「生命」に関する作品に取りくみ始める。彼女が最初に素材として選んだものは、スーパーのレジ袋だ。通常なら捨てられる運命にある袋を丁寧にカット、集積し、可憐な白い花をつくりあげる。茎の部分は白い針金を用いてジョイントする。
展示の代表的なものは、建築空間の床に直接穴を開け、差し込む方法だ。まるで床(地面)から直接生えてきているような印象を受ける。大地の芸術祭での米蔵やBankART Studio NYKの巨大な倉庫空間では、誰もがたちすくむ崇高なインスタレーションを展開した。

丸山氏の作品をより高貴に導いているのは、その受ける印象の艶かしさだ。本物のようにというと語弊があるが、ビニールを用いた人工的な造花なので、つくりものの印象を受けるかと思えば、そうではない。風にゆれ、人の動きにも適度に反応する。ビニール袋の繊細な薄さと細い針金との見事なバランスが、自然の生命体の印象を喚起する構造になっているのかもしれない。またよく考えてみるとビニールの原型は太古の海底に沈んだ動物性のプランクトンの集まりの石油であり、私たちが人工的と思い込んでいるビニールは、生命体としての起源を有しているのだ。

丸山氏の横浜での貢献は、こうした作品群を通してということはもちろんだが、もうひとつは、シェアスタジオ「北仲BRICK&北仲WHITE」での活動だ。250名もの様々な方向を向いているクリエイターを束ね、浅井裕介さんとともに、オープンスタジオを成功に導いてくれた。作品を支えるフレームを自ら立ちあげる素養は、当時からずば抜けたものがあった。そんな丸山氏が、これまでの活動をまとめた小さな冊子を発刊した。BankART Home にて800円[+税]で販売中。

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「Landmark Project 2」2007

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「BankART LifeX〜観光」2017

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新しいカタログ。BankART Homeで販売中
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2018年08月25日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 矢内原充志 2018年8月25日

ダンスパフォーミングアーツグループ「ニブロール」を率いる矢内原美邦氏の弟。
活動当初はダンス衣装を担当していたが、現在はファッションデザイナーとして、独立した活動を行っている。BankART 関係では、BankARTパブの制服、続・朝鮮通信使のコスチューム、BankART妻有のカーテンなどを手がけてもらっている。また関内外地区のシェアスタジオではリーダー核的な存在で新・港区(153名のクリエイターがいた巨大シェアスタジオでも)では、他の多くのクリエイターとコラボレートしながら、スパイラルでの大きなショーを成功させている。
最近は、ファッションデザイナーの領域を越えて、都市計画のコーディネートのような仕事にその活動は広がっている。故郷今治を中心に、建築家伊東豊雄の「塾」を導入したり、建物を誘致したり、人と人のつながりに関係する仕事を推進している。ご存知の方も多いかもしれないが、矢内原兄弟は四国の名士の流れをくみ、矢内原伊作(ジャコメッティ研究/詩人)や矢内原忠雄(東大総長)の直系にあたる。大げさかもしれないが、全体を俯瞰しながら社会を牽引する、丹下建三や村上水軍を生んだ今治っ血が流れているのかもしれない。

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ハンマーヘッドスタジオ新・港区

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パブ制服

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族・朝鮮通信使衣装

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布からのデザイン展/個展 @スパイラル

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今治市伊東豊雄建築ミュージアム.jpg
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2018年08月17日

Creative Network事業「R16 〜国道16号線スタジオ」スタート! 2018年8月17日

Creative Network事業「R16 〜国道16号線スタジオ」が8.17にスタートし、夕刻6時から入居アーティストのウェルカムパーティを開催した。
メールニュースだけの配信告知だったが、200人もの人が訪れてくれ、廃墟と化していた横浜の心臓部が、15年ぶりに活況をみせた。
R16スタジオは、最近の高架下の店舗のようにお洒落にインテリアを壁で覆った空間とは異なり、床と低い壁を施しただけの外のような空間。訪れてくれた人の感想は、「外じゃないか」、「雨風しのげるの?」とか、「トイレは?」等、予想通りの反応で、こんな場所でアートができるのだろうかと、みんな目をぱちくりさせていた。入居する側の作家も同様で、どう使っていくのか、とまどっているというのが正直なところだ。セミオープンにした理由はいくつかあるが、ここでは詳しく述べない。この場所が、1ヶ月〜3ヶ月ぐらい経てどういった構造に変化していくのかを、にやにやしながら、見守っていただければと思う。

【Creative Network事業 R16 〜国道16号線スタジオ】
旧市街地と新市街地(みなとみらい)を分つ、東急東横線(横浜駅〜桜木町駅)の廃線跡。上部は、かつて線路だった場所を2021年度までに遊歩道へ変換させる計画となっている。今回の試みは、こうした状況の中、現在眠っている高架下を活用し、期間限定のスタジオ・アトリエを挿入するプロジェクトである。位置は高島町の交差点(二代目横浜駅があった場所)から桜木町方面に続
く16ブロック約100mのゾーン。原則として制作場所としての活用だが、適時オープンスタジオ、ワークショップ等の期間を設けて、市民に対しても開いていく。

詳細はこちら
http://bankart1929.com/creative_network/


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2018年08月11日

BankARTスクール2018 妻有合宿 8月7〜11日

今年の夏も、BankART妻有で合宿ゼミをおこなった。
7日早朝に横浜を車ででて、その日は見学のみ。8日は朝、村田真ゼミ、昼は見学会、夜は開発好明ゼミ。9日は朝、松本秋則ゼミ、昼は見学会、夜は村田ゼミ。10日は朝、松本ゼミ、昼は見学会、夜は開発ゼミ。11日は、朝から見学+帰路。ゼミ終了後には、連日オプションのバーベキューや宴会も始まる。参加者は、スタッフを入れて8人程度だし、密度が濃いというか、本当に忙しいスケジュールだった。夜、横浜に戻った参加者は、久々の都会のクーラーに放心したような様子だった。

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2018年07月28日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 丸岡ひろみ 2018年7月28日

丸岡さんのすごいところは、ふわっとしていて、何でも吸収してしまうところだ。いや、吸収というより、包容という言葉の方が近いかもしれない。企業がビックサイトや幕張メッセで商売として行っている展示会のような構造に近いTPAM「パフォーミングアーツの見本市」を文化交流のイベントに昇華させてしまう。この変換は丸岡さんたちの、したたかさと努力と愛情がなければ成立しないであろう。その結果、実際に海外に公演が売れるという「縁結び」の仕事もすごいけれど、この事業の成立の仕方そのものが、「縁結び」の機能をもっていて、二重にすごいなと思う。具体的にいうと、資金は国際交流基金を中心にした様々な行政機関から助成金をゲットし、施設は、KAATのような県立、BankARTやYCCのような横浜市が推進している施設等に協力をあおりながら事業を進める。国、県、市というみっつの行政機関の資金と施設をオールオーバーに駆使しながら繋げ、国際交流の舞台を構築推進しているのである。池袋から、横浜に移ってきてはや7年。これからも私たちは、もっと深く連動していきたいと思う。

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photo by Hideto Maezawa
グループ・ミーティングの様子


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2018年07月25日

BankART妻有 2018年7月25日

大地の芸術祭2018参加作品。2006年にオープンしたBankART妻有も今年で12年目。古い農家を住めるように、みかんぐみ+神奈川大学曽我部研究室とともに改造した。合併浄化槽、ウォシュレット二基、お風呂、光のインターネットと設備は整えた。建築のディテールは、BankART ゆかりの作家に直接、制作してもらった。展示物は主にBankARTのコレクション。
今年のようにトリエンナーレのある年は、BankARTのメンバーが、フル滞在してお客さんをむかいいれる。会期中50日は無休で、冷たい麦茶を来館者全員に提供する。ときには、自転車かき氷機で製造したかき氷や農家の方が差し入れて下さった野菜を提供したりする。夕刻からは、知り合いを中心にした泊まり客がある日も多い。特に今年はお盆前の一週間は、作家とともに合宿しながら、BankART スクールゼミを公式に開催するので人口密度が高くなる。ふとんやら食事やら、楽しいけど大変だ。
29日のオープンを目指して、これから数日間、準備の日々が続く。

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2018年07月14日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 高橋 寛+晶子(WORK STATION)2018年7月14日

建築のチーム「ワークステーション」を主宰されるお二人に、お話を伺った。坂本龍馬記念館でデビューしたお二人は、この間、丁寧に設計の仕事を続けてこられた。横浜市仲町台地区センター等が有名だ。
また、横浜トリエンナーレ2005の建築ディレクターチームのチーフも担当された。
「何故、横浜に1988年にアトリエを構えたのか?」の質問に、「行政かなって」とぽろり。当時は、ロン毛の北沢猛がデザイン室を率いており、吸引力があったそうだ。また長い期間居を構えた大津ビルさんのオーナーも、すばらしく配慮の行き届いた方で、室伏さん、飯田さん、等蒼々たる建築家に場所を提供していた。
BankARTのスタートは2004年からだが、横浜では1988年から、第一期創造都市が始まっていたのだ。


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2018年07月07日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 伊藤康文 2018年7月7日

伊藤氏は、ビルオーナーでもあるし不動産屋さんでもある。東京にもいくつか物件を所有されているが、横浜関内地区には、クリエイタたちが数多く入居している常盤ビル、伸光ビル、泰生ビル、泰生ポーチなどを運用している。運用と記したには、通常のビルのオーナーとはやや異なり、あるディレクションのもと不動産を動かしているからだ。そのキーワードが「クリエイタ」というとちょっと大げさかもしれないが、価格設定の低さもあいまって、実際に上記の4棟には、およそ60チームのクリエイタの集合アトリエが既に入居して活発な活動が始まっている。そんなこんなで関内駅周辺の飲屋ひしめく街の中に、なかなかおもしろいゾーンが形成されつつあり、市が推進する創造界隈事業の動きと連動し、街の温度が大分高くなってきていることは事実である。これから現市庁舎のリニューアルも含めて、大規模な開発が始まる関内駅周辺。大きな資本が動くときこそ、伊藤氏のような地元に密着したポリシーのしっかりしたオーナー(旦那)が、小資本だけど、何か新しいおもしろい動きをしようとしているチームをサポートし続けてくれているのは頼もしい限りである。

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トキワビルの交流会の様子(写真:福島健士)
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2018年06月30日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 野老朝雄 2018年6月30日

「東京オリンピック2020」エンブレムのデザインにいたるまでの思考を今日のレクチャーでは披露してもらった。東京造形大をでて、ロンドンのAAスクールで建築系の先生につき、いろんな意味で自由に生きてきたと思える野老氏。
 5年間横浜にアトリエを構えていた野老氏。BankART Studio NYKでも、シメイビールが好きで、いつも陽気に飲んでいて、でもそれは、何かにのめりこむために飲んでいるような酒の飲み方で、とにかくとらえどころがなかったのを記憶している。そして作品はいうと、その構造は緻密だけど、アウトプットされたものは、あまりグラフィック的な印象はなく、手作りのようなやさしい感じがするのが野老氏の作品の特徴だった。野老氏の思考のベースに流れているのは、建築やデザインなのだろうか?それとももっともっと邪悪なものなのか、愛なのか?
 エンブレムデザインをゲットしたときに開催したNYKでのお祝い会。たくさんの友達、先輩、後輩、関係者が駆けつけてくれた。国家的な仕事の頂点に立った野老氏は、特に変わる事なく、ずっとシメイを飲み続け、やはり何かに取り付かれているかのように仲間とずっと話していた。

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2018年06月29日

ヨコハマ創造都市を巡るリレーレクチャー 梶山祐実 2018年6月29日

梶山氏はBankART1929スタートのときの都市デザイン室の担当者であり、その後も創造都市事業構想の創成期を支えてくれた人だ。その後、局が変わっても様々な断面で、創造都市事業を応援し続けてくださった。その梶山さんが、再びデザイン室の室長として着任されたことは本当に嬉しい。今日のレクチャーでは、横浜市の街づくりの理念から創造都市構想に至る骨子を丁寧に話していただいた。BankARTが、アートのためのアートプロジェクトに陥らず、街づくりから生まれてきたプログラムであり、歴史的な建造物を活用しながら、街を元気にしていくという理念を継続して持ち続ける事ができているのは、こうした梶山さんたちの街に対する深い愛情や理解があるからと思っている。

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2018年06月16日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 中村恩恵 2018年6月16日

中村氏は重要なダンサーとコラボレートした海外公演も数多く、芸術選奨文部科学大臣賞(2011)、紫綬褒章(2018)等の賞もとられているし、新国立劇場のような大きな施設でも見事な仕事をされる方だが、BankARTではむしろ小さめのものをこれまで数多くお願いしてきた。

BankART スクールでも少人数のゼミを何度が担当してもらったこともあるし、BankART Studio NYK内にレジデントアーティストとしてスタジオを設けられていたので、日頃の活動もよく目にしていたからかもしれないが、すごい人だとわかってはいるけど、気軽に声をかけさせていただき、様々な催しにこれまで参加していただいた。

今日は、なぜコンテンポラリーダンスを行うようになったかという話を生い立ちも含めて伺った。
たっているだけで美しい人で、こんな人が横浜にいるというだけで、横浜はもっと自慢してもいいと思う。
本当にこれからが楽しみな人だ。

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BankART Studio NYK 2017
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2018年06月02日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 矢内原美邦/高橋啓祐 2018年6月2日

BankART1929としては、ダンスカンパニー「ニブロール」としてよりも、「オフニブロール」という「ユニット:矢内原×高橋」との関わりの方が多い。
BankARTの活動初期から、多くの展示、ダンスイベントに招待させてもらったり、企画してもらったりしてきている。代表的なものだけでも15本以上を数える事ができるだろう。

2005.5 個展「public=un+public」@BankART1929 Yokohama
「台北市・横浜市アーティスト交流事業2005 派遣アーティストとして台北国際藝術村へ3ヶ月滞在
2008.5 「Landmark Project lll」@桜木町ぴおシティ
.5 アフリカ開発会議(TICAD)「アフリカ希望の大地展」 @BankART1929 Yokohama
.9〜11「BankART Life II Landmark Project IV 心ある機械たち」 @BankART1929 Yokohama
2009.12 「Contemporary Art Japan,Korea and China」@Hakgojae Gallery(ソウル)
2011.8〜11 「BankART LifeV "新・港村"」@新・港村
2014.8〜11 「BankART LifeW 東アジアの夢」@BankART Studio NYK 1F kawamata Hall
.12 「ASIA Independent Art」@Yunseul Museum(韓国・金海市)
2015.7〜9 「アートと都市を巡る横浜と台北」@BankART Studio NYK 3F
11〜12 「都市に棲む~BankART1929のアクティビティ」@光州市立美術館(光州・韓国)
2017.8〜11 「BankART LifeX〜観光」BankART Studio NYK 3F


このチームのすごいところは効率のいいところだ。矢内原美邦さんのダンス、演出は、ひとりまたはふたりで成立するようなものが多いし、高橋啓祐さんの映像も出来上がったものは複雑だが、かなり大きな空間でもプロジェククター数台程度使用するだけで成立させてしまう。このコンパクト構造が、彼らの動きを活発にし、世界に羽ばたかせているのだといえよう。(くどい説明かもしれないが、このコンパクト構造を成立させるための時間をかけた試行錯誤と明快なコンセプトがあってのことだが。)
横浜の家を拠点にしながら、世界での活動が続くこのチームには、私たちはもっとおもしろい条件の仕事を提供したいと思う。
彼らはどんな与条件でも、新しいダンス、映像空間を創成してくれると思うからだ。


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2005.5 個展「public=un+public」@BankART1929 Yokohama

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2014.8〜11 「BankART LifeW 東アジアの夢」@BankART Studio NYK 1F kawamata Hall

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2017.8〜11 「BankART LifeX〜観光」BankART Studio NYK 3F
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2018年05月26日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 松本秋則 2018年5月26日

 国内外で活躍する松本氏は、現在のYCC(旧第一銀行)での「Bamboo Bank 緑陰銀行」(2006年)を皮切りに、市庁舎ホールでの作品(2008、2014年)や越後妻有、瀬戸内などの国際展、彫刻の森美術館での個展など、広い空間を使った大型のインスタレーションを数多く展開してきました。
 2010年からは、NYKの年間レジデンスアーティストとして「アキノリウム」と称した小さなアトリエを拠点に、ソウルや光州、ニューヨーク、中国の銀川現代美術館などの海外の空間での活発な活動が続きました。アトリエでは、朝9時〜17時頃まで黙々と制作されているのですが、BankARTを訪れた家族が窓を覗いているのを見つけると、サービス精神旺盛にスタジオに招いていたのが印象的です。
 トークでは、作家になる経緯から、これまでの作品アーカイブを丁寧にお話いただきました。また「文殊の知恵熱」というパフォーマンス集団の一員としても活動も紹介していただきました。
 BankART Studio NYK閉鎖に伴い、現在は神奈川県郊外に引っ越されましたが、引き続き、元気に作家活動を続けられています。BankART1929でもまた、仕事をお願いするつもりです。



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BankART Yokohama 「Bamboo Bank 緑陰銀行」(2006年)

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市庁舎ホール(2008、2014年)
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2018年05月19日

ヨコハマ創造界隈アーティストトーク 開発好明 2018年5月19日

BankART Studio NYKに長期間、アトリエを構え、数多くの発表を続けて
こられた開発氏。今日も、氏らしく、これまで行った仕事の全容を誠実に語ってくれた。氏の作品紹介のかわりに、活動をまとめた小冊子「ひとり民主主義」からの文章を引用する。

開発好明は、ひとり民主主義者である。ひとりで行なうということと、民主主義という言葉は相反するように思えるが、開発はこの間ずっと、この相反するテーマに正面から取り組んできたといえよう。みんなを巻き込むような作品をつくりながらも基本的には淡々とひとりで作業を進め、決して運動体としての作品にはしない。あくまでも個人のささやかな営みとして、正義に対してアプローチし、規制に対してレジスタンスする。開発の最近のプロジェクト全てに、こういった「思想」が底流しているといえよう。

例えば、一年後に送られてくる郵便システムを構築した、「未来郵便局」は、未来への自分、友達との約束のプログラムだ。一年後、今の自分や友達とどういう信頼関係が結ばれているか。同じ気持ちで関わることができるかどうか、そうあって欲しいという気持ちが一年後まで封印される、極めてデリケートな約束(=民主主義)のプログラムだ。『あなたの思い出を一年後のあなたに届けます。あなたの気持ちを一年後の友達に届けます。手紙は一年後にポストに投函され、未来のあなたや友達に届きます。配達員 開発好明 2011』

福島原発20キロ地点に掘建小屋をたて、宿泊の招待状を衆参議員700名に送った「政治家の家」。『誰も住む事が出来なくなった場所が日本に存在している事が本当に悲しかった』と語る開発が、極めてストレートにアクションしたこのプロジェクトは、民主国家の代表者に対して、リアリティ(=民主主義)を奮い起こさせる静かで孤独なプログラムだ。実際に宿泊したものはいなかったが、週刊ビックコミックスピリッツ『美味しんぼ』というメジャーなマンガで大きく取り上げられ、話題になった。

トラックにアート作品(様々な作家の作品)を詰め込み、西日本から東日本へ移動しながら行う展覧会「デイリリーアートサーカス」。4年間で都合150日も開催した奇跡の美術館だ。地域で募金活動を行い、収益金は全て東日本大震災の被災地に寄付。この継続性(=民主主義)は誰もが真似できるものではない。ここでも開発のひとり民主主義が貫かれている。

「誰もが先生、誰もが生徒」を合言葉に、東京都の離島三宅島で行なわれた「100人先生」プロジェクト。先生と生徒、教える側と教えられる側の反転。選ばれた人間が選んだ人間を支配するだけの構造は民主主義ではない。いつでも政権は交換(=民主主義)される。この本質がこのアノニマスなプログラムの中には埋め込まれている。

空き地を畑へと転換させ、その中央に地下スタジオを作り、会期中モグラの格好をした作家が、地域や展覧会関係者を招き、連日生放送(ustream配信)を行なった「モグラTV」も極めて民主主義的なプログラムだ。放送局というパブリックな空間をモグラという動物の姿をかり、ユーモアとボトムアップ性を全面的に打ち出すことで、メディアのもつ権威性をはぎ取り、原点の姿に引き戻す作業を行なっているともいえよう。ユーモアとボトムアップ(=民主主義)は開発さんの作品に共通する財産だ。

詩人、吉本隆明が戦前、軍部の台頭の中、戦争に巻き込まれていく人たちに対して、放った言葉(詩)は、今でも個人と民主主義の関係を痛いほど考えさせてくれる。

『ひとりっきりで耐えられないから 
たくさんのひとと手をつなぐというのは嘘だから
ひとりっきりで抗争できないから
たくさんのひとと手をつなぐというのは卑怯だから       
ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる
ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたおれたらひとつの直接性がたおれる
もたれあうことをきらった反抗がたおれる』

            『転位のための十篇』から       

民主主義とは、皆で手をつなぐことで生まれる運動体ではなく、たったひとりの具体的なアクション(作品)が、具体的に他人を動かし、連鎖反応を引き起こしていく現象だ。そういった意味において、開発好明のひとり民主主義は民主主義の本質を往くプロジェクトだといえよう。


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政治家の家

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100人先生


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2018年05月18日

ヨコハマ創造都市を巡るリレーレクチャー 山野真悟(黄金町バザールディレクター)2018年5月18日[金]

Creaitive Network事業がはじまった。横浜市における13年間の創造都市政策の歩みを、レクチャーやアーティストトーク、スタジオワークス等を通して、一年間、検証してみようというプログラムだ。
レクチャーシリーズは、これまで形成されてきた創造界隈の拠点のリーダーから、その拠点でお話を伺うという、人も会場もリレーされていくプログラムだ
ただ、拠点だけだと運営側の6チームだけの論理になってしまうので、創造都市のフレームを構築評価してきた行政マンや有識者にもご登壇いただくようにした。さらに、横浜市の直接的な事業ではないが、創造界隈を形成しきている、民間、財団などの関係者もお誘いした。

今日はその初日にあたり、黄金町の山野さんにご登壇いただいた。場所は、黄金町の黄金スタジオ。みかんぐみの設計による京急の高架下の建物だ。山野氏はいつにもまして、丁寧に行われてきた事をお話くださり、とても好評だった。欲をいえば、もうすこし突っ込んで、いろんなエピソードを引き出すべきだったかもしれない。

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